キミがそんな風に微笑むから
ボクはついついキミの笑顔を見る為に
何でもしてしまいそうになる


何でもしてあげたくなるんだ


だからその笑顔を
ずっと
ボクだけに向けていて…





* 幸せの形 〜 四つ葉 〜 *





天界にも季節は巡るように、この世界も季節を持ち合わせている。
ボク達の周りも芽吹く季節へと変わろうとしていた。


時折吹く心地よい風が、色鮮やかに染められた葉を舞わせ、
同時に彼女の桜色の髪も流れるように舞った。



『ロキ君っ!見てみてっ!』

『…』



彼女が急に声を高くして、ボクを呼ぶ。
愛しい、愛しい声で。


先程から地面を見ながら必死に探していたそれをようやく見つけたみたいで、満面の笑顔を浮かべて。



『何…四葉のクローバー?』

『そう。見つけるのに結構時間が掛かったんだよぉ〜』


えへへっ、とはにかむような笑顔のキミの、細く繊細な指に握られていたのは、一輪の四葉。
ボク達のいる場所一面に広がるクローバーの中から、キミは何処にあるのか、途方も暮れるような作業に、ようやく終止符を打った。
この辺りの集中力は感心せざるを得ない程だ。



『四葉を見つけたら幸福が訪れるんだよね!!』

『…そうらしいね。頑張ったまゆらに一つだけ教えてアゲル。この葉は十字架を表していてね…』





――葉の一枚一枚に、
  Fame(名声)
  Wealth(富)
  Faithful Lover(満ち足りた愛)
  Glorious Health(素晴らしい健康)
  …の願いが込められているというのが古くからの言い伝え。





つい最近までは本気にしていなかったけれど、キミに出逢ってからは…。



『それと…』


疑問をそのまま行動に移し、首を傾げた彼女が握っている四つ葉の上に手を重ねると二人の体温が混じり、暖かかった。



彼女の存在は、まるで太陽のように。
ボクはきっとキミのような太陽が無かったら、簡単に枯れてしまうのだろうね。



『この四枚の葉が揃うと真実の愛、となる』



ボクが微笑むと、彼女の顔が薄くい紅色に染まった気がした。



『と、突然何を言うかなぁ…』


そんな照れた仕草が可愛くて仕方がない。
サラリと指に絡ませた髪は流れるように美しく、それにゆったりとした速度で唇を寄せた。



『突然なんかじゃないさ』




だって



ボクは



『だって僕はずっと…」





…好きだからさ?





風に吸い込まれていったこの言葉をキミは聴き取れたのかな?
さっき以上に顔を真っ赤に染めて、必死に答えを探しているような。





この気持ちには嘘は無い。
本当に好きだと。
何よりも愛おしい。
この気持ちを一体どう伝えたらいいものか迷っていたけれど、素直に伝えるだけでいいんだ。





『好きだよ』



ずっと
ずっと
これからも





小さな緑の四葉に乗せて
真実の愛をボクはキミに伝えた





END





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