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真剣に「好きだ」と伝えたのに、彼女は一切表情を変えることなく「そうですか」とだけ返してきた。 もう少しはっきりとしたリアクションが欲しかったので、そのまま引き寄せて軽く口付けてみたのだが、やはり彼女は何の反応もなく今日まで何事も無かったように時間が流れてきた。 「―――と、いう事だが、どう思うハボック?」 「嫌われてんじゃないッスか?」 即答すれば、口にくわえていた煙草がもぎ取られた。 「あっ。まだ付けたばっかなのに!」 「此処は禁煙だ」 「んなの初耳ッスよ!?」 「当たり前だ、今決めた」 「……ひでぇ」 八つ当たりに理不尽な事を言い出した上官は、部下の嘆きに耳を貸すことなく一人言葉を続ける。 「そんなことよりもだな、ハボック。告白して断られなかったし、キスしても拒絶されなかったという事は脈アリだとは思わないか?」 「……本気だと取られなかったんじゃないですかね。アンタ女好きだし」 誰かさんはモテますからねぇ、と僻みを含めて続けてやれば、その誰かさんはニヤリと得意気に笑ってみせた。 「………甲斐性の無さを私のせいにするんじゃない」 「甲斐性見せる前に攫ってくアンタに言われたくないです」 ふてくされたように言うハボックを面白がっているのだろう。ロイは、 「では私がお前の恋の手ほどきをしてやろう。意中の相手は誰だね?」 などと訊いてきた。 当然それを面白くないハボックは、ほとんど反射的にその言葉を口にしていた。 「冗談じゃない。結構です」 新しい煙草に火を着けながら言ってやれば、目の前の彼は一瞬だけ言葉を詰まらせた。 しかしそれは一瞬の事で、再び彼は話を続けようとする。 だから、彼が何か言う前にハボックは言ってやった。 「中尉なら今は第三資料室に居ますよ」 まさかそういう台詞がハボックの口から出てくるとは思わなかったのだろう。ロイは僅かに目を見開いて、すぐにその眉を寄せた。 「……何が言いたい?」 「此処で俺と話してても意味がないんで、サッサと当たって砕けて来て下さい」 「砕けると決めつけるな!!」 無礼な奴だと文句を言う彼を半ば無理やり押し出して。 「ハイ、アンタなら大丈夫なんだからサッサと行ってください」 と言ってやれば。 彼は当然だ、というように執務室を後にした。 しかしその彼が資料室の前まで行くとオロオロし始めるのを容易に想像できるのだが。 「―――で。結局俺は報われないんだよなぁ」 まだ十分吸える長さのある煙草を窓のサッシに押しつければ、ジュッと音を立て、その火は容易に消えた。 胸に巣くう想いはこの煙草のようには消えなくて。 長年染み着いた煙草の煙の匂いのように、何時までも残っているんだ。 そう思うと、ただ苦笑だけが口元に浮かんだ。 END NOVEL TOP ――――――――――――――――――― 日記から移動。 ハボは、報われない恋をしているといいと思う。 つか、カプ小説に飽きてきた(早)ので、次はギャグかシリアス書きたいなあ。 士官学校モノに凄く惹かれてるんですが。 2005.06.19 |
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